金利上昇で中古マンション市場に何が起きているのか
NHK・TBSの取材でお伝えした、都心の販売現場で感じる変化
2026年9月28日、NHK「ニュースーン」とTBS「Nスタ」の2番組で、中古マンション市場と住宅ローン金利について取材を受けた内容が放送されました。
偶然ではありますが、同じ日にNHKとTBSという2つの番組が、ほぼ同じテーマを取り上げています。
それだけ今、住宅ローン金利の上昇とマンション価格の動きに、社会的な関心が集まっているということだと思います。
今回の取材で私がお伝えしたのは、単純に「マンション価格が下がっている」という話ではありません。
現場で起きているのは、
これまで上昇を続けてきた物件価格に金利上昇が重なり、購入できる人の数が高価格帯から少なくなり始めている
という変化です。

※2026年9月28日 NHK「ニュースーン」より
実際に2,000万円値下げした都心の中古マンション
今回、NHK・TBS双方の取材で取り上げられたのが、当社で販売している都心の中古マンションです。
約70㎡、築浅、駅から徒歩圏という、これまでであれば比較的需要の強かった条件の物件です。
販売価格は、
- 2026年5月 1億7,990万円
- 2026年7月 1億6,990万円
- 2026年9月 1億5,990万円
と、販売開始から合計2,000万円価格を見直しています。
それでも、以前の都心マンション市場で見られたような強い反響にはつながっていません。
重要なのは、この1物件だけを見て「マンション価格が暴落している」と判断しないことです。
一方で、こうした価格調整が実際の販売現場で起きていることも事実です。
問題は「価格」だけではなく「毎月いくら払うか」
住宅を購入する人が見ているのは、物件価格だけではありません。
最終的には、
その住宅を購入した場合、毎月いくら支払うことになるのか
ということです。
仮に物件価格が同じでも、住宅ローン金利が上昇すれば毎月の返済額は増えます。
さらにマンションの場合には、
- 管理費
- 修繕積立金
- 固定資産税
- 駐車場代
なども必要になります。
つまり購入者にとって重要なのは、物件価格そのものではなく、
住宅ローン返済を含めた「総住居費」
です。
以前と同じ1億円のマンションであっても、金利が上昇すれば、その住宅を購入できる世帯は確実に少なくなります。
高価格帯から先に影響が出やすい

※2026年9月28日 TBS「Nスタ」より
特に影響が表れやすいのが、1億5,000万円、2億円といった高価格帯です。
高額な住宅ほど借入額も大きくなるため、わずかな金利上昇でも返済額への影響が大きくなります。
また、銀行から融資を受けられる金額と、実際に購入者が「この返済額なら払っていける」と判断する金額は同じではありません。
住宅価格が上昇し続けてきたところへ金利上昇が加わることで、
「借りられる金額」ではなく「無理なく返せる金額」
を基準に住宅を選ぶ人が増えてくる可能性があります。
その結果として、高価格帯では購入できる人の母数が小さくなり、販売期間の長期化や価格調整につながります。
だからといって、東京のマンション価格が全面的に下落するとは限らない
今回のテレビ取材でも、この点は慎重にお伝えしました。
都心マンション市場を一括りにして、
「これから価格が下がる」
と断定することはできません。
駅からの距離、築年数、広さ、管理状態、眺望、希少性などによって、同じエリアでも物件ごとの需要には大きな差があります。
また、良い物件を求める需要そのものがなくなったわけでもありません。
ただし、
どんな物件でも値上がりし、多少高くても買い手がつく
という市場環境には変化が出始めていると感じています。
これからは、より一層、
その物件に対して現在の市場がいくらまでなら受け入れるのか
という価格設定が重要になります。
売主にとって最も危険なのは「高く売り出すこと」ではない
不動産売却では、「少しでも高く売りたい」と考えるのは当然です。
しかし、本当に注意しなければならないのは、相場より高い価格で売り出すことそのものではありません。
問題は、
市場から反応がないにもかかわらず、その価格を長期間維持すること
です。
売却開始直後は、そのエリアで物件を探している購入希望者が一斉に物件を確認します。
そこで価格が合わなければ、検討対象から外されます。
そのまま数か月が経過すると、
「ずっと売れていない物件」
という見られ方をするようになります。
結果として、最終的には当初適正だった価格よりもさらに下げなければ売れなくなることさえあります。
私は、不動産売却では、
市場に出してから最初の反響を見ることが非常に重要
だと考えています。
住宅市場を見るときは「価格」と「金利」をセットで考える
今回、NHKとTBSの取材を通じて改めて感じたのは、住宅市場を物件価格だけで見る時代ではなくなってきたということです。
これから住宅市場を見るうえでは、
物件価格 × 住宅ローン金利 × 管理費・修繕積立金
をセットで考える必要があります。
マンション価格が横ばいでも、金利や維持費が上昇すれば、購入者の負担は増えます。
逆に、物件価格が多少下がっても、金利上昇によって毎月の支払額がそれほど下がらないケースもあります。
だからこそ、ニュースで「マンション価格が上がった」「下がった」という数字だけを見るのではなく、
実際にその住宅を購入した場合の総住居費はいくらなのか
まで見ることが重要です。
今後も、統計だけでは見えない実際の販売現場の反響や購入者の動きを含めて、住宅市場の変化を発信していきます。
2026年9月28日
NHK「ニュースーン」
TBS「Nスタ」取材・放送
任意売却Dr.代表
山口剛平
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